【マルヨシ通信No.89】
上のグラフをご覧下さい。世界主要国の消費者物価指数CPI(前年同月比)の推移を表したものです。日本、米国、欧州とも21年1月迄は概ね2%以下で推移しておりました。
その後、新型コロナやウクライナ問題など大きな変動要因があり22年8月の段階で、ユーロ圏は9.1%、 米国は8.3%、日本は3.0%となり、欧米の物価指数は急騰しました。ニューヨークでは一風堂のラーメン一杯が2800円で日本の3倍近い価格になっています。英国では10月から電気ガスが8割も値上がり一般的な家庭では毎月4万8千円もの支払になるとの事です。
続いて日本の物価の現状です。22年8月現在の日本の消費者物価指数は前年同月比3.0%で上昇傾向にありますが米国やユーロと比較すると未だ低い水準です。
生鮮食品やエネルギー関連を除いたコアコアCPIは1.8%で、日本は8月時点ではインフレとは言えませんが10月からは6千5百品目以上の価格が上がっているのでCPI数値は上がるでしょう。引き続いて下のグラフをご覧下さい。22年8月の企業間物価指数(CGPI)と消費者物価指数(CPI)を表したものです。企業間物価は+9.0%(前年同月比)とオイルショック以来41年ぶりに高騰しています。
グラフを良く見ると企業物価指数と消費者物価指数の間に6%もの大きな開きがあります。企業物価指数が消費者物価指数を6%上回っているという事は、今のところ企業が値上がりを吸収してくれているという事です。
「良いものを安く提供する」と言う企業側の誠意の表れと取る人もいるでしょうが、長い間デフレマインドが浸透している日本人には「値上げ」は受け容れられないだろうと企業は考えました。値上げをすれば消費者は買い控えになり「収入増」よりも「数量減」により売上を落とす事にならないか心配した訳です。
こうした背景から企業は上昇した原材料費分を自社で呑み込む事により、商品価格の値上げを先延ばしにして来ました。今後、原材料費の上昇が長期化すれば企業が耐えられなくなるのは明らかで、先述の如く、既に多くの企業が22年10月から堰を切った様に値上げを始めました。今後、企業物価と消費者物価の差は徐々に縮まって来るでしょう。
報道によれば年末にかけてユーロや米国は更なる利上げを行い、インフレを収めようとする様です。それでも物価上昇が収まらず更に金利を上げ続けなければならない局面が来ると、世界の株式市場は経済不安からストーンと下落する恐れがあります。
日銀が物価上昇を抑える為に景気引き締め策に転じて、政策金利を上げたりすると不動産にとっては逆風です。多くの債務や在庫を抱える企業並びに個人のリスクや負担は増して来ます。欧米、韓国、中国の主要都市の不動産市場はバブっているので利上げも止むを得ないと思いますが、日本は東京の一部エリアを除けばバブルではありません。
暫くは物価の上昇、日銀の金利政策、コロナやウクライナ情勢の進展、為替や株価動向などを日々チェックしながら色々な判断、決断を下さなければならない『気の抜けない状況』になったと思います。本紙も引き続き皆様のお役に立つ様な情報をお伝えして参ります。
ページ作成日 2023-01-05
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