【マルヨシ通信No.99】
マルヨシ通信の役割として世界で起こっている重要ニュースを分かり易く、飽きが来ない3分以内に読了頂くというテーマがございます。今号では「中国不動産バブル崩壊か?」と言う話題を取り上げてみました。笑い話的に言われている例えですが、日本人は貯蓄が好き、米国人は株式投信が好き、中国人は不動産投資が好きと良く言われます。半分ジョークですが、あながち外れてもいません。
ざくっとした数字ですが、中国はGDP(国内総生産)の3割、個人資産の7割、銀行が保有する担保の4割が不動産関連だと言われています。中国政府も毎年GDP成長率6%以上を保ち、国を成長させる原動力として長年不動産を利用して来ました。そして、今無計画な不動産投資のツケが回って来た様です。下の表をご覧下さい。不動産開発大手30社の債務総額をまとめたモノです。合計が約210兆円ですから日本の国家予算の約2倍に当たる規模です。トップの碧桂園は22年8.7兆円の売上(不動産販売額)を計上しましたが年度末の負債総額は28.6兆円となっています。ご参考迄に日本の不動産会社の第一位は三井不動産ですが、負債額は4.0兆円、自己資本比率は32%です。中国の不動産会社が如何に脆弱な財務基盤の上に立っているかが分かります。
(*注)円と中国元の為替レートは1元=20円で計算
10.5兆円*20円=210兆円
中国の不動産開発会社は商習慣として工事の進捗に合わせて買主から中間金を徴収します。また、土地は個人所有が認められない為、開発会社は土地の所有者である地方政府から土地を賃借します。日本で開発事業をやるとなると開発業者は土地代と建設費で事業費の7~8割を金融機関から借り入れて遂行しますが、中国の場合は建設中に買主から中間金の入金があり、土地のリース代も頭で満額払う事もないので銀行借り入れは事業費の3~4割で済みます。その結果、「産めよ増やせよ」で需給バランスを無視して建てれば売れると信じて投機的開発が行われ、各地でゴーストタウンが誕生したと言われています。
天津市117 階建商業ビル。1兆円かけ15年前起工したが中断し現在幽霊ビルに
現在、中国全体で300棟以上の未完成タワーマンション、部屋数では100万戸以上の未完成物件があると言われています。被害は購入者や建設会社だけでなく土地のリース代が収納出来ない地方政府にも及んでいます。中国不動産デベロッパー全体の負債総額は隠れ債務も入れると1300兆円以上あるだろうと推測されており同国GDP(2400兆円)の半分を超えた怖しい数字になっています。
【日本への影響】
経済体制の違う中国で同国の不動産デベロッパーの破綻が次々に起こった場合、日本にはどの様な影響や心配があるか考えてみました。
(1)中国企業のドル建て債務不履行→人民元暴落→世界的株暴落→日本株も併せて暴落
(2)若年層を中心に失業率が上がる→社会不安→政治不安→政局安定策に台湾が使われる
(3)中国は得意の製造業で立ち直ろうとしても、米中デジタル覇権争いが加熱し中国製品の輸出販路は限られてしまう。中国を製造拠点としていた日本の企業は中国外への工場移転も含め世界戦略の見直しが求められる。
(4)個人消費停滞→中国から日本へのインバウンド旅行者数や関連売上が減る。日本の投資物件を買おうとする中国投資家が減る。
ページ作成日 2023-10-10
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