SDGsはもはや耳慣れない言葉ではなくなって参りました。「持続可能な開発目標」という和訳をご存じの方も多くなりました。但しSDGsは17項目にわたる目標があり、範囲が広すぎて頭に入りにくいとか、とっつきにくいと考える人が依然として多いのが実情です。
この度、SDGs支援機構事務局長の深井宣光さんが「小学生からのSDGs」という本を執筆され話題になっています。アマゾンの書評では4.8と言う高評価になっています。学校関係だけでなく、法人企業が社内研修用にまとめて購入しているケースもあるようです。子ども向けに書かれた本ですが、大人が読んでも知らなかった知識や驚かされる事例が沢山出て来て頭に入り易いです。各ページとも数字やイラストをふんだんに採り入れ、漢字にはルビをふって分かり易い言葉を使っています。分かって貰わなければ最初の第一歩を踏み出す行動に結び付かないという事務局長ならでは気遣いを感じました。
本書を読んで「へぇー」と思わせる内容を採りあげてみました。質問形式でご紹介します。
Q1.エネルギー自給率という言葉があります。自国で使っているエネルギー全体の何パーセントを自国で賄う事が出来るかという数字です。アメリカが97.7％ カナダが175.8％、英国が70.4％です。それでは日本のエネルギー自給率は何パーセントでしょうか？
Q2.結婚に関して５人に一人、1200万人という 数字があります。西アフリカなどの事例が紹介されています。この数字は全く歓迎できません。何の数字でしょうか？
Q3.過去50年間で魚の量は半分に減ったそうです。各地で乱獲が行なわれた事もありますが、プラスチックごみが海洋に破棄されその小さな粒を食べた魚が死んでしまった影響も大きいです。世界の海洋プラごみの年間総量は1100万トンです。魚を通して人間の胃袋に入るプラごみの量は一人あたりで何グラムになるでしょうか？
Q4.2019年9月から半年間オーストラリアで発生した森林火災は半年間で北海道よりも大きな面積を焼き尽くしました。この火災で焼き出された家畜、コアラ、カンガルーなど動物の数は全部で何頭、何匹でしょうか？
A1.日本のエネルギー自給率は11.8％で世界34位。１位はノルウェーで700.3％ 33位韓国16・０％ (出典2019年IEA)
A2.世界では毎年1,200万人の女子が18歳未満で無理やり結婚させられている。西アフリカのある国では14歳の女子の前にある日突然オジサンが現れ結婚させられた後、女中代わりの使役に 服されたという事例を紹介
A3.世界のプラごみは1,100万トンがそのまま海に破棄されており、魚を通して我々は平均毎週５グラム（クレジットカード同量）のプラごみを胃に入れている計算になります
A4.オーストラリアの森林火災では30億頭・匹の動物が焼死しました。信じられない数です。
この他にも世界の食品廃棄の量は年間で牛７５００頭分に相当するとか、日本人の紙使用量は年間一人当たり世界平均4倍の201㎏になっているなど数値データが沢山出て来ます。子どもだけでなく親も一緒に考えさせられます。
ページ作成日 2022-06-21
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