【マルヨシ通信No.86】
弊誌76号で中国第二位の不動産会社である恒大集団が33兆円の累積負債を抱えて経営難に陥ったという話題を採り上げました。同社は債務の再編計画をまとめている最中ですが債権者から数百件の訴訟を受けて社会問題になっています。
中国政府のゼロコロナ政策により上海では今年の4月から2ヶ月間のロックダウンが行なわれました。この都市封鎖により自動車部品、家電製品、建築資材等の供給が止まったり、価格が高騰して日本にも大きな影響がありました。
河南省の銀行では7月上旬に40万口座、総額8000億円の預金引き出しが突然出来なくなりました。各地で300棟を超えるマンションの建設が中断しており、ゴーストタウンが大量に発生しているそうです。
5年に一度の共産党大会を今年10月に控え、習近平指導部は社会不安の高まりに警戒感を強めています。アメリカ人が株式投資が好きなように中国の人たちは国民性で不動産が大好きです。持ち家のない男には娘を嫁がせないなどまことしやかな習慣もあります。
預金凍結に抗議し河南省鄭州の中国人民銀行前には千人の預金者がデモに参加した (7/11)
中国が世界第二位の経済大国になる為に不動産は成長のエンジン役を果たして来ました。左記の表は中国四大銀行の規模を示す総資産額と預貸率や貸出金の用途を示しています。
参考にして頂く為に三菱UFJ銀行グループ(以下三菱G)の数字も付記しました。四行共に総資産はいずれも三菱Gの2倍、純資産額は5倍、貸出金額は3倍、預貸率(貸出金÷総資産)も2倍で優秀と言えるでしょう。
然し、最後に一つ大きな落とし穴がありました。貸出比率の中で住宅ローンが20%近くになっていました。一方の三菱Gは僅か5%です。300棟を超えるマンションの建設が中断していると前述しました。中国の場合は完成までに頭金や中間金で90%近く払う為、物件の引き渡しが行われていなくても住宅ローンは実行されているケースが多いです。
前述した四大銀行が貸し出さない場合には完成前のつなぎ融資でノンバンクや地方銀行が高めの金利で住宅ローンを貸し出しています。物件を購入した人の大半は現在住んでいる住宅のローンも支払い中で、ダブルローンの返済に追われ、今後支払い破綻者が益々増加することが予想されています。
「習近平政権は一人でも感染者が出ればエリア全域を封鎖してしまうゼロコロナ政策を掲げて来た。統制を強化した為に、経済は活力を失いその影響が不動産を中心に各分野で出て来た」と朱鎔基元首相は現政権に批判的なコメントを出しております。
10月の全国共産党大会で前人未到の3選を狙う習氏は今後コロナの封じ込めと経済活性化の重要な舵取りが任されています。経済、外交、安全保障いずれの面でも日本に大きな影響が及ぶので注目です。
ページ作成日 2022-10-23
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