【マルヨシ通信No.88】
相続相談を受けていると、たまに「全財産を妻に相続させるから、相続税はかからないので大丈夫」という方がいらっしゃいます。
相続税には「配偶者の税額軽減」という特例があり、法定相続分もしくは1億6千万円までの財産であれば、配偶者が全額相続しても相続税はかかりません。
然し、相続税をきちんと計算せずに目の前の損得だけを考えて配偶者に100%相続させると、配偶者が亡くなって子どもが相続する段階で相続税が「倍返し」になってしまう事がありますのでお気を付け下さいというのが今号のテーマです。
上記のA家の相続家系図をご覧下さい。 言葉の定義ですが最初にご主人がお亡くなりになり、妻と2人の子どもが相続人になったとします。
この場合、A家にとっての初めての相続ですから一次相続と言います。お亡くなりになったご主人のことを「被相続人」と言い、妻と子どもの事を法で定められた相続人という事で「法定相続人」と言います。
相続財産の分け方は法定相続人の間で合意がなされればどの様に分けても問題ありません。
然し、法定相続人間で合意がなされなかった場合には法で定められた相続割合(「法定相続割合」と言います)に従って割合を決めます。
A家のケースでは妻が1/2 子ども2人が1/2相続します。妻が亡くなって子どもが相続する段階を二次相続と言います。 実際に2つのケースに分けてA家全体の相続税の合計額を計算してみましょう。
ケース➀
一次相続で妻(配偶者)が100%相続するとします。配偶者特別控除により一次相続では相続税の支払いはゼロです。
但し、二次相続で子ども2人は1億円の相続財産を相続するので、相続税は770万円かかります。
ケース②
一次相続で妻が40%相続するとします。子ども2人は一次相続で378万円の相続税を払います。
妻が亡くなり二次相続が発生しますが相続財産額は4千万円で全額基礎控除(4200万円)されるので子どもの相続税支払いはゼロです。
結果として一次・二次を併せたA家の相続税支払い額合計は378万円になります。ケース①と②の納税額の差は392万円となり、無視できない大きさの金額です。
目の前の配偶者控除に気を取られて一次相続で全額を妻に相続させてしまうとA家全体では392万円も多く相続税を払う事になります。
更に法定相続割合で払うのが良いかと言うとそうではありません。上段の一覧表で見て頂けます様に妻50%、2人の子どもが50%ですと合計の払いは395万円となり、ケース②より17万円多く払います。従い、法定相続割合がA家にとって一番良い分割方法ではありません。
また、ご主人の生命保険の受取人を配偶者にしているケースも多いですが、配偶者は前述の相続税の特別控除もありますので、子どもさんを受取人にされるケースが増えて参りました。
ページ作成日 2022-12-14
センチュリー21マルヨシでは単身やご家族で住める越谷エリアの賃貸物件を中心にご紹介しております。また地域に密着してから35年以上の歴史を誇る当社では、オーナー様から賃貸管理を任せて頂いている物件も豊富にございます。不動産のお取引が初めての方にも越谷エリアに精通したスタッフが丁寧にご対応させて頂きますのでどうぞお気軽にご相談ください。