【マルヨシ通信No.91】
昨年12月16日自民党と公明党の税制調査会は「令和5年度税制改正大綱」を発表致しました。大綱とは草案ですから今後1月~3月の閣議決定、国会審議と法案成立を受けて4月から施行される運びになります。大綱には実際の法律文や税金の計算方法までは書かれておりませんが、今回の税制改正の背景、意義、概要が書かれておりますので相続に関連するポイントを抜粋してご報告致します。
相続の改正は【資産課税】と言う項目にまとめられ「資産移転の時期の選択により中立的な税制の構築」を目指すと書かれています。大綱の言葉を分かり易く言い換えます。
上のグラフをご覧下さい。(大綱には掲出されていません)日本の個人の預貯金や株式等の個人金融資産を年齢別に分けたものです。合計金額は2019年の段階で2千兆円に迫ろうとしています。棒グラフの左側の緑色の棒は2019年の段階で個人金融資産の63%は60代以上の方が所有されている事を示しています。11年後の2030年には65%まで伸びて行くと推測されています。
一方、40代以下の子育て世代は逆に2030年の数値(右側の俸)が2019年より下がっています。ここに日本の歪があります。資産が高齢者層に偏り、子育てや自宅購入に資金が必要な若い世代の金融資産が全く伸びていません。高齢者の資産を若い世代に移さないと日本の成長や発展はありません。こういう問題がある事を理解して下さいというのが冒頭の「資産移転時期の…」と言う文言であり、調査会は次の2つの改正案を大綱に盛り込みました。
①【暦年贈与の改正】
年110万円の非課税枠は現行制度では死亡前3年間分については遡って相続財産に加算される事になっており「3年間の持ち戻し」と呼んでいます。改正案では3年間を7年間の持ち戻しに延長しています。延長することにより早いうちから贈与しておこうかと言う行動になるだろうという読みです。2024年1月1日以降の贈与に新ルールが適用される為、2027年1月1日以降に発生する相続に影響が出ます。贈与をしてから7年後の応当日を迎える迄は110万円は相続税の対象になるという事です。
②【相続時精算課税制度の改正】
現行制度は60歳以上の父母・祖父母から18歳以上の子・孫への贈与が合計2500万円以内なら何回贈与しても贈与税がかかりません。2500万円を超える部分には一律20%の贈与税を課すというものです。この制度も一旦喜ばせておいて読んで字の如く、相続時には相続財産に加算して相続税を払って下さいという持ち戻し制度になります。節税にはなっていません。然しながら、今回の改正で朗報が一つあります。改正後は年110万円まで非課税になります。
暦年贈与と相続時精算課税制度の併用は出来ません。どちらかを取る選択制になりますがこれを機会に相続時精算課税制度に登録する人が増えて来る事が期待されています。
ページ作成日 2023-02-06
センチュリー21マルヨシでは単身やご家族で住める越谷エリアの賃貸物件を中心にご紹介しております。また地域に密着してから35年以上の歴史を誇る当社では、オーナー様から賃貸管理を任せて頂いている物件も豊富にございます。不動産のお取引が初めての方にも越谷エリアに精通したスタッフが丁寧にご対応させて頂きますのでどうぞお気軽にご相談ください。