【マルヨシ通信No.94】
昨年５月末に発売された「実家じまい終わらせました」という本が、既に９回増刷を重ね注目されています。
著者はタレントの松本明子さん(56歳)で元祖バラドルとして明るく親しみ易いキャラクターでテレビを中心に活躍されています。本の内容は、「実家じまい」について松本さんの実体験をまとめたモノです。松本さんは香川県高松市の出身で、ご両親が長年住んでその後空き家になった実家を維持するために25年間にわたり累計１８５０万円を費やしました。
ご実家の写真が上にあります。お父様が土地建物で３０００万円かけて建てたものですが、売却金額は建物評価ゼロで僅か６００万円でした。実質、１２５０万円の赤字を被ったということですが、自治体が運営する空き家サイトに登録後、解体せずにそのままリフォームして住み続けますという買主が現れ、運良く売れたという事です。
「実家じまい」と言うのは少しとっつきにくいテーマですが、これからの時代、避けては通れない課題です。松本さんと同世代の方々の中にはご両親が高齢になり同じ様な問題を抱えていらっしゃる方が多いので、初歩から学ぶには丁度良いと考え、注目されたと思います。本の表紙の帯に書かれた「私と同じしくじりをしないで下さい」と言うキャッチも効いています。
そもそも「何故25年間も空き家のまま放っておいたのか？」という質問に対し、松本さんは次の３つの理由を述べています。
①両親を東京に呼んで東京で暮らしていたが、いつかは高松に戻ろうと考えていた。
②東日本大震災直後だったので東京で震災が起こったら高松を避難先にと考えた。
③維持費は年間12万円程度だろうと推測し大した負担にはならないと考えた。
「どんなしくじりをしたのですか？」という事ですが、25年間に亘る実家の維持、売却と最後の残置物処分まで含め１８５０万円を要してしまい、全く予想だにしなかった費用がかかってしまったという事です。
費用負担で特に大変だったのが６００万円要したリフォーム代でした。実家の換気や掃除が充分でなかった為にカビが繁殖して床や壁が腐ってきたり、チリや埃が溜まり害虫やシロアリが発生。排水管が錆びてきて悪臭が漂うなどの問題が生じリフォームをしました。結果的にはリフォームしていたので、買手の方もそのまま住む事が出来るという事で気に入られ、希望より大分低い金額ではありますが比較的短期間で売れました。
松本さんは実家を売った後に、一か月以内に残置物を処理しなければならないという事で実家に籠って断捨離に励み、２トントラック７台分の残置物を１００万円払って回収業者に引き取って貰ったとの事。家具、家電、衣服、古本など売れると思っていたものはほとんど値が付かず逆に引き取り費用が掛かったとの事。自分が未だ50代だから処理出来たが、実家じまいは精神的、肉体的、経済的に非常に労苦を伴うので早めに手を付けた方が良いと助言しております。
ページ作成日 2023-04-30
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