【マルヨシ通信No.95】
日本の通販市場の規模は昨年の売上高で約20兆円弱です。全国百貨店の同年売上が約5兆円ですので小売業界の地殻変動は通販に完全に軍配が上がりました。その通販業界の中で異彩を放つジャパネットたかたを採り上げます。同社の売上は約2500億円でテレビ通販では第一位です。ジャパネットは創業社長の高田明氏が長崎弁をまじえた甲高い声の名調子で一世を風靡し、佐世保の小さなカメラ店だった同社は一躍全国区の大会社に成長致しました。
2015年1月明氏はきっぱりと社長職から退き、息子の高田旭人氏が事業を継承しました。
【髙田旭人】(たかた・あきと)氏略歴
1979年長崎県佐世保市生まれ
東京大学教養学部卒 野村證券入社 アメリカ留学を経て2003年ジャパネットたかた入社。販売促進本部長、開発本部長等を歴任し2015年ジャパネットたかた代表取締役に就任
明氏が絶大な経営手腕を発揮して会社が伸びて来ただけに誰もが旭人新社長の舵取りを心配しました。然し乍ら、上段のグラフにある様に明前社長の最終年2014年1538億円だった同社の売上は2021年には2506億円と1.6倍に伸長しました。代替わりが見事に成功した一例です。親子ともにアイデアマンである事や強いチャレンジ精神は同じDNAで繋がっていますが、2代目旭人社長が大きく変更した舵取りがありました。
「厳選集中」です。先代の明氏の時代では約8500点もの商品を扱っていましたが、商品数の上限を644点に抑えた「厳選集中」に絞り、結局はこの戦略が売上向上に結び付きました。同社は公言していませんが顧客ターゲットも高齢者に絞っています。高齢者はエアコンを買う場合でも省エネなど機能が十分で価格競争力があり、据付けやアフターサービスもきちんとやって貰える商品をプロに選んで貰った方が楽で安心だと考える人が多いです。三菱でなければ駄目とかシャープでなければ駄目と考えている消費者は少ないです。
厳選集中はHPでも明確に発信しています
ジャパネットはそうした高齢者の生活や思考形態を良く把握しています。ジャパネットが厳選集中で大量に仕入れる商品は完全買い取りで返品なしです。メーカーとの価格交渉を有利に進める事は出来ますが、誤って売れない商品を仕入れてしまうと自社の損失に直結しますので全社員が夫々の持ち場で真剣になります。過剰在庫の保有を避ける為、物流網を整えました。修理部隊の社員はお客様から商品の使い勝手や問題点を聴取して、開発や仕入担当部隊に伝えます。
現場の生の声を聴いて消費者は何を希望し、どういう不満を持っているかを知り、次の開発や仕入れ戦略立案に活かすシステムを作りました。明前社長の強烈なキャラクターで会社を牽引して来た時代に比べると旭人社長に替わり理論的なボトムアップ経営に生まれ変わったと言えるのではないでしょうか。
そこで重要な覚悟は安かろう、悪かろうの世界に入り込まない事です。メーカーが在庫として抱えていた機能の劣る、型落ち商品を値段が安いからと言ってジャパネットが大量に仕入れて安く販売しようとしたら信用は崩れてしまいます。
ジャパネットが生き残るかどうかの生命線は、会社がしっかりとした商品選択の目利きが出来るかどうかにあると思います。
*注)当記事はジャパネットたかたグループの戦略を紹介したもので同社の広告宣伝を行うものではございません
ページ作成日 2023-06-08
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