【マルヨシ通信No.95】
亡くなった人が多額の借金を残していた場合、その借金は相続人が引き継いで返済しなければなりません。但し、借金が多額で相続財産額以上の場合には、全ての財産を引き継がない「相続放棄」を選択する事が出来ます。相続放棄は家庭裁判所に相続放棄申述書を提出して放棄を認めてもらい、その証として通知書を受け取って有効となります。
尚、司法統計によれば2020年の相続放棄の既済総数は23.3万件で却下率は0.18%でした。相続放棄は注意事項が幾つかございますのでお伝え致します。
【注意その①】相続発生後3ケ月以内に申述必要:
先述した様に相続放棄は家裁に相続申述書を提出して承認を受けますが、期限の定めがあり相続発生後3ヶ月以内と決められております。実際、相続発生後は気も動転して3ヶ月はあっという間に経ってしまいます。被相続人(亡くなるであろう人)が存命中にプラスの財産、マイナスの財産の内訳をしっかり確認しておく必要があります。相続発生後、3ヶ月以上経った後に債権者が現れ被相続人が多額の借金をしていた事が分かり、相続放棄したいと相続人が希望しても既に時遅しで相続放棄が認められないケースが少なくありません。
*熟慮期間延長申し立ては可能
【注意その②】次順位の法定相続人に連絡しておく:
「ある日突然、叔父の借金返済の催告を受けたが、叔父には配偶者や子どもたちという法定相続人がいるのに何故自分に借金が回って来るのか理解できない」という悲劇が新聞で紹介されたことがありました。叔父の相続人が次順位の相続人である甥に相続放棄の連絡をしていなかった為に起こった事件でした。
結果的に甥の相続人は弁護士の助言を得て「次順位の相続人は先順位の相続人たち全員の相続放棄を知った日から3ヶ月以内に相続放棄をすれば良い」という事を知りました。次順位相続人であれば相続発生から3ヶ月以内でなく先順位の相続人の放棄を知った日から3ヶ月以内であれば放棄が認められます。この甥の場合は自分の親が既に亡くなっており、代襲相続人という立場で次順位相続人に繰り上がった訳です。親族で葬儀が起こったら先順位の相続人の動きを確認して下さい。義務ではありませんが先順位で相続放棄する相続人は次順位の相続人に放棄の旨を伝えておくべきでしょう。
【注意その③】被相続人の財産に手を付けない:
相続放棄を検討しているのであれば被相続人の不動産、預貯金、美術品、車、貴金属など相続財産と見做されるものについては一切手を付けない事です。相続を認めたという事で放棄を却下される恐れがあります。
【注意その④】相続放棄しても財産管理の義務はあり:
相続放棄をすれば、借金だけでなく全ての財産を相続する権利が消滅します。但し、その財産の新たな相続人が決定するまでは、管理を行う必要があります。例えば、被相続人が住んでいた家屋などは、倒壊や火災の危険がないように管理しなければなりません。もし、家屋が損壊や火災を起こして他人に損害を与えてしまうと、損害賠償責任を負う事となるので注意が必要です。細かい部分では枝木の剪定や雑草の駆除、臭気や害虫の発生防止などの義務もあります。早めに売却するなど手段を講じた方が宜しいでしょう。
*全員相続放棄の場合相続人が相続財産管理人の選任を家裁に申し立て財産管理義務から免れる事は可能
ページ作成日 2023-06-16
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