【マルヨシ通信No.101】
小額投資非課税制度NISAの制度が2024年1月から大きく変わります。上のグラフをご覧下さい。2千兆円以上と言われている日本の個人金融資産の半分以上(54%)が預貯金に偏っています。株式や投資信託などの投資に振り向けられている資金は15%と米国の51%と比べると大きな差があります。
政府としてはこの資産構成比を変えて投資に振り向けられる資金をもっと増やして市場経済の活性化を図りたいと考えています。同時に少子高齢化が益々進み現行の年金支給額を維持できない状況が見込まれる為、幅広い世代にわたり将来に備えて個人の資産運用を奨励したい思惑もあります。
「投資」や「資産運用」は銀行預金と違ってリスクが全くない訳ではありません。然し乍ら、新NISAは政府が本腰を入れて施行しようとしている制度でメリットも多いので「使わない手はない」という題名を付けさせて頂きました。出来るだけ簡潔に説明しますので新NISAのご利用を検討されては如何でしょうか?
現在、りそな銀行やみずほ銀行など都市銀行の金利は定期で0.002%、普通預金で0.001%です。仮に毎月5万円を20年間にわたって積立貯金をした場合、利息はどのくらい付くでしょうか? 答えは定期なら1833円、普通なら868円です。
毎月5万円を240ヶ月粛々と積み立てた結果、累計元本は12百万円になりますが、利息は雀の涙にしかなりません。それではNISAの口座に毎月5万円を積み立てたらどうでしょうか? 現行NISAのつみたて枠の過去10年の実績より妥当な利回りとして5%で計算してみました。5%の根拠としてNISAが扱う全世界株式(MSCI)の過去30年間の利回り平均は年+7.6%でした。米国株(S&P500)は年+9.8%でした。以上より5%は慎重な利回りだと思います。
上のグラフをご覧下さい。毎月5万円の積み立てを20年間5%の複利で運用すると収益(=配当)合計は781万円になります。ご参考迄に3%で計算すると収益の合計は421万円になります。
更に見逃せないのがNISAでなければこの収益に20%の税金がかかります。配当並びに株や投信の売買益にかかる税金20%が非課税になるという事は損益分岐点を低く出来るのでリスク低減に寄与します。
新NISA には「つみたて投資枠」と個別株も購入できる「成長投資枠」の2つがあります。つみたて投資枠でインデックス型の投資信託を購入した場合を考えてみます。インデックス型とは日経平均の様に市場の値動きを示す指標(=インデックス)と同じ値動きを目指す投資信託で手間がかからず、長期、分散投資には最適です。つみたて投信にはアクティブ型もありますので、別号で説明致します。
過去10年間やってきたNISAですが、口座数5百万超、買い付け額1.5兆円は満足できる成果ではありませんでした。個人金融資産は2千兆円以上ある訳ですから切り崩しも何も出来ておりません。そこで政府が満を持して発表した策が来年1月から始まる新NISAです。次の様な改正が行われ自由度が増して使い易くなったとメディアやネットの評判は概ね良好の様です。
(1)非課税保有期間の無期限化(図➀)
これまでのNISA制度には非課税で保有(運用)できる期間に制限がありました。一般NISAの場合、この非課税保有期間の5年間が終了する際に、翌年度のNISAへ持ち越し(ロールオーバー)をして、運用するかどうか検討する必要がありました。実際に持ち越しをした場合、翌年の非課税投資枠が無くなってしまうという問題もありました。
新NISAでは、非課税保有期間の制限が無くなった為、持ち越しの手続きも不要になりました。売却益について非課税の為、10年後でも20年後でも売却の時期を自由に選択できるようになり、自身のライフスタイルに合わせて資産運用の計画が立てやすくなりました。資産運用の基本である「長期・分散・積立」がより実現しやすくなりました。また、運用できる期間に制限が無い為、長期間保有することにより運用益が更に大きくなる可能性もあります。
(2)口座開設期間の恒久化(図②)
口座開設期間が恒久化となり、2024年以降いつでもNISAの口座開設が可能となります。従って投資を始めたい時期を自由に選択できるようになります。これにより長期的な視点で資産運用が可能になりました。
(3)年間投資枠の大幅な増額(図③)及び非課税保有限度額の新設(図④)
新NISA では、年間の投資額がつみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円と倍増します。非課税保有限度枠1800万円(うち成長投資枠は1200万円まで)が新設されます。
(4)つみたて投資枠、成長投資枠併用可(⑤)
従来の制度では、つみたてNISA若しくは一般NISAの一方しか選択できませんでしたが、新NISAでは両方の投資枠の併用が可能になりました。投資戦略の幅が更に広がり自由度が増すので多くの人が歓迎している改正です。
(5)非課税保有限度枠の再利用 (図⑥)
新NISA制度では、取得した金融商品を売却した場合、取得価額分の非課税枠が復活します。例えば、保有株を800万円、非課税保有限度枠を1000万円分有している人が保有株を100万円売却すると限度枠が1100万円に戻ります。限度枠内であれば再度非課税で運用できるのは大きな利点です。
現行NISAの非課税枠は今年の年末までに口座を開設すれば来年からの新NISAの枠に関係なく使う事が出来ます。今号のご説明はここ迄です。証券会社の選び方や報酬手数料などお伝えし切れない情報は次号以降に持ち越します。今まで株に興味なかった方もご一緒に勉強して行きましょう。
ページ作成日 2023-12-18
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